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ハルモニア

篠田節子「ハルモニア」

なぜか音楽に関係する本が読みたくなって、今さらのように篠田節子の「ハルモニア」を読みました。だいーぶ前にテレビでドラマやっていましたが、見ていなかったので、なんの前知識もなしに読むことができました。
ストーリーはネタバレになるので、割愛しますが、読了後の感想としては、同著者の「カノン」という、やはり音楽がモチーフになっている作品と比べると、終末への持っていき方が、あまり清々しいとはいえず、なんだか暗い気持ちになりました。
途中までは、ヒロイン由希の超人的才能が、この後どのように変化し、周囲に影響を与えていくのか、と期待しながら読んでいたのですが、それが負の力となって働きだし、次第に由希が壊れていくのは、読んでいて辛かったです。
単なる悲しい物語としては美しい終わり方ではなかったと(私的には)思うし、著者は何のために、どういう意図で、この作品を書いたのだろうか、と疑問を持ちました。結局、超人的才能の代わりに失った人としての機能を持たない由希は、生きることはできないということだったのかな。。。
ちょっと残念な終わり方でした。