ポンカラノテガミ

つらつらオタク魂ブログ

アムステルダム美術館めぐり

窓から見える立体駐輪場

起きて窓から外を見ると、寒々とした風景の中に溶け込むように、びっしりと自転車が止めてある立体駐輪場がまん前にありました。オランダは、エコロジーの国。地球温暖化で海面の水位が上がると、ネーデルランドは水没してしまいます。なので、みんな車より自転車で移動を心がけていて、道路にも自転車専用レーンがあります。だから、道路を渡るときは車と同時に自転車にも注意が必要です。
さて、朝ごはんだけ付いているこのホテル。レストランは改装中なので、エレベータホールに用意されたパンやお菓子類、果物、飲み物(コーヒー、紅茶、ジュースなど)をトレーにとって、部屋に戻って食べます。日中をできるだけ経済的に過ごすために、朝はしっかり食べました。
朝食後はしっかり厚着をして出発です。今日は、国立ミュージアムゴッホ美術館に行く予定です。本当は、アムス市内にはもっとたくさん名所があるのですが、私は美術館はじっくり見たい派なので、この2箇所だけ行くことにしました。アムステルダム駅前から2番のトラムに乗って、ライツェ広場の次の停留所で下車です。降りると正面に国立ミュージアムがあります。ミュージアムに入る前に、目の前にあるミュージアムショップをちょこっとのぞき、どんなお土産があるかをチェックしました。
さて、いよいよ入館ですが、今回の旅行ではオランダ国内の美術館をあちこち行く予定だったので、便利でお得な(笑)ミュージアムイヤーリーカルト(年間パスポートみたいなもの)を買いました。これがあれば、オランダ国内のほとんどの美術館に1年間入ることができます。もちろん、対象外のところや特別展をやっていて追加料金が必要な場合もありますが、だいたい4、5箇所行けば、元が取れるくらいの料金でした。それにこれがあれば、入館の都度、チケットを買わなくて済むので世話なしです。
国立ミュージアムは、オランダを代表する画家の作品が数多く所蔵されていることで有名です。私もまずはレンブラントの「夜警」を見なくては!と張り切っていました。そうそうフェルメールの「牛乳を注ぐ女」は、ちょうどこのとき日本に来ていて入れ違いになってしまいました(もちろん、帰国後に見に行きました)。館内をゆっくりまわっていると、「あ、この絵知ってる、見たことがある」という名画がたくさんあり、素晴らしいオランダ画家の作品を満喫することができました。日本では、海外の名画展では人ごみの中から一生懸命のぞきこむようにしないと見ることはできませんが、ここでは、どんなに有名な作品も正面からゆったりと鑑賞することができます。
私は、渡蘭前から特にフェルメールの絵を楽しみにしていたので、「小路」「恋文」「手紙を読む女」の実物を目の前にして、とても感動しました。中でも「小路」は、なぜだか懐かしいような遠い記憶の中の風景のような絵で何度も見に戻りました。もちろん、レンブラントの「夜警」も素晴らしかったです。絵の周囲に作品の中に描かれているものの解説があり、細かく見ていくと、意外なもの(なぜそれが描かれているのかわからないもの)が描かれていることや、実は、この絵は夜の景色ではないということなどがわかり、非常に興味深いものでした。
フェルメールレンブラントのほかにもヤン・ステーンなどの名画もあり、オランダ美術を堪能することができました。
外に出ると、やっぱり寒いー!国立ミュージアムの前は広いミュージアム広場があり、その向こうの方にゴッホ美術館があります。あまりに寒いので、途中のカウンターストアでホットチョコレートを買い、飲みながら歩きました。ふと右側を見ると、コスターダイアモンドの建物が。オランダはダイアモンド加工が有名です(が、当然買いません)。ちょっと工場見学してみたかったけど、どうせ買わないし、ゴッホ美術館をゆっくり見たかったので、そのまま進みました。途中、小さなお土産物屋さんがあったので、ここで冷蔵庫に貼るマグネット(オランダの建物をかたどってあります)とピンを買いました。ちょっと怪しかったので現金で。

ゴッホ美術館も、もちろんミュージアムイヤーリーカルトで入館。こちらは新しくて近代的な美術館です。横にある半円筒形の別館は黒川紀章の設計ということです。ゴッホの作品のほか、同時代の他の画家の作品なども所蔵されています。
あまり、1日目からとばして疲れてしまうといけないので、全作品を見るのはやめて、ゴッホの作品中心でまわることにしました。それだけでも、相当な作品数です。ゴッホの生い立ちや、パリへの旅立ち、病気、弟テオとの関係など、時代とともに変化していくゴッホの絵。ゴッホの作品は、どれも見る人に非常に強く訴えかける色彩と筆遣いですが、「馬鈴薯を食べる人々」はさすがに胸をしめつけられるような気持ちになりました。
周囲の人々と調和することが出来なかったゴッホは、毎日をどんな気持ちで暮らしていたのでしょう。親しくしたいと思った人々から遠ざけられ、なかなか作品が世に認められないために貧しく、モデルを雇えないことから自画像が多いゴッホ。若くしてピストル自殺によって死んでしまいました。それでも、彼の絵からは強烈な意思が伝わってきます。この美術館で、たくさんのゴッホ作品に触れることができて本当に良かった。一通り見終わった後、カフェで休憩して美術館を後にしました。
ゴッホ美術館からの帰り、途中のにぎやかなところでトラムを下車し、商店街を歩きました。ホテルにスリッパがなくて不便だったので、スリッパかサンダルを調達しようと思ったからです。なかなか見つけられませんでしたが、少し大きめの靴屋さんにフカフカの暖かそうなスリッパがあったので、それを買いました。そして、また駅で食べ物を買って、部屋で簡単な夕食。
明日もアムステルダム市内を観光します。